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国際収支と所得の関係について分かりやすく解説

さて、タイトルについてですが、これは前回の記事の最後に"いつ何時も貿易などの外需に依存せず、内需主導型の経済システムを駆動するのが好ましい"と考えると書いたことがきっかけです。

 

そこで、今回はその発言は具体的に1) どういう意味なのか、そして2) なぜそう考えるのかを説明することを目的として、解説をしていきます。

 

 まず、1)についてですが、そもそも輸出に注力する企業はどういった企業が多いのかということを説明する必要があるでしょう。経済産業省のホームページより輸出企業に占める中小企業が88.5%であるのに対し、大企業は11.5%です。しかし、日本全体の総輸出額の9割以上を大企業が占める結果となりました。このことから、傾向として輸出に注力するのは大企業であるということが言えると思われます。

 

 大企業であるということは、中小企業と比較して、当期純利益額が多いため、そこから拠出される配当金が多くなるだろうという予想ができます。したがって、株主がその大企業の株を買うという形で支援を行っているということが論理的に導けます。そのため、大企業の経営陣としては、株主の意向は無視できるものではなく、非常に影響力の大きい存在です。したがって、大企業の外需依存は株主主導によるものと言えるでしょう。株主という存在は一般的には所得が平均より上の富裕層です。以前のデフレとインフレの解説記事にて説明いたしましたが、富裕層が望むのはインフレでなくデフレでしたね。その方が実質的な資産が増えるからです。つまり、株主はデフレ拡大を望んでいるということです。

 

 しかし、大企業が輸出超過経常黒字を拡大するにつれて、インフレ圧力が高まります。マネーストックが増えるからには当然です。そうすると、人為的に経済に介入しなければ、自然とインフレに向かうことになり、株主の望む正反対の現実が実現してしまいます。インフレを防ぎたい株主は政治家や経団連などの団体とも親密な関係を持っていますから、それら主要な人物に対して資金提供をすることで、デフレ化促進政策の立案と実行を支援するということです。具体的には法人税の減税、消費税の増税といった施策が考えられ、現に日本では法人税は減少傾向に、消費税は増税傾向という現状です。

 

 では、反対に輸入超過経常赤字が拡大した場合についても考えてみます。この場合は、貿易企業が外国の企業からモノやサービスを購入するわけですから、対価として外貨を支払う必要があります。この時、外貨を所有している主体は政府であるため、政府は金融機関を通じて、外貨を貿易企業に供給します。その代わり、貿易企業から日本円を回収します。これはつまり、民間に供給されている貨幣が減少するという現象そのものであり、マネーストックが減少すると言えます。マネーストックが減少するということは国民の総所得(GDP)が減るということであり、デフレ化が促進されていると言えるでしょう。※ 厳密にはマネーストックGDPは定義が異なりますが、今は同じ概念という認識で良いです。その辺りの細かい話はいずれ別の記事にて解説しようと思います。

 

 つまり、貿易によって黒字になろうと、赤字になろうと今の日本の現状ではデフレが促進されるという事実がお分り頂けると思います。

 

 ここまでの結論を以下まとめます。

(1)  経常黒字の場合 → マネーストックが増加することにより、インフレ圧力がかかる。しかし、株主などの富裕層がデフレ化を促進すべく経済システムに働きかける。→ 結局、デフレ化が促進される

(1)  経常赤字の場合 → マネーストックが減少することにより、デフレ化が促進される

 

 外需依存でなく、内需主導型の経済システムが望ましいのは分かりましたが、では、具体的にどういったことを行えばいいのでしょうか?

次回、解説してまいりたいと思います。

ここまで、ご覧頂きありがとうございました。

また、次回以降もよろしくお願いいたします。