学んだことを発信するブログ

ジャンル問わず、学んだことを発信していきます。その過程で私の提供した情報がどなたかのお役に立てればなお嬉しいです!

デフレについて新解釈

皆さん、こんばんは!

久々にブログを書きます、よろしくお願いいたします。

 

結論から言います。

「デフレ」とは貨幣が滞留する現象のことであり、

「インフレ」とは貨幣が循環する現象のことです。

 

どういうことか...

以前、別の記事にてご説明いたしましたように、「デフレ」というのはお金の価値がモノやサービスなどの財の価値を上回る現象です。つまり、お金への需要が財への需要を上回るわけです。なぜなら、皆が何らかの理由でお金を使うことに対して不安があるからです。

 

その場合、財を購入するよりも自分の手元にお金を置いておくほうを好むようになります。今の日本は政府、企業、家計の経済の各主体全てにおいて、消費を抑え、貯蓄を好む傾向が見られます。皆がお金を貯蓄するようになれば、所得が減ることになります。なぜなら、所得は財を媒介として分配されるからです。当然ですが、消費者が何かモノやサービスを作った人にお金を払うから、それがその人達の所得になるからということです。

 

デフレ下では、そのようにしてお金の移動が少なくなる、つまり流動性が下がるから物価が加速度的に下がります。誰も財を買いたがらないので、価格を下げるしかないからです。価格が下がれば、所得が下がり、そのことに不安を覚えた人々は一層お金を貯蓄に回すようになります。これがデフレスパイラルです。

 

では、そもそもなぜこういった現象が起きるのでしょうか?それは、政府の政策が「お金を滞留させるための策ばかり」だからです。例えば、法人税の減税です。法人税を減らすということは企業の純利益を増やす施策なので、そこから配当を得る株主などの投資家を優遇する政策です。投資家などの富裕層は一層豊かになりますが、彼らは所得に占める消費の割合(限界消費性向という)が低い=財に使うお金の割合が少ないので、お金は循環しません。食材や生理用品などの生活必需品に関しては、富裕層であってもなくても必要とする量にはそれほど差がありません。だから、彼らはお金が増えても別に財を買おうとはしないというわけです。その代わり、それら余剰資金は株や債権などの投資に回ることになります。金融経済にお金が流れるだけで、実体経済にはお金は流れないので、所得が他の人に移転しないのです。他には、消費税の増税です。これは前述の法人税減税分の補填とも言われており、財に対してかかってくるため、強制力があります。消費税の造成によって、生活必需品などの価格が高くなろうとも誰しもが買わざるを得ません。そういった状況では、より所得の低い貧困層に相対的に負担が重くのしかかることになります。そうなると、限られた所得の中で生活必需品以外の娯楽などのお金を削ることにあり、それはその娯楽に関わる人の所得が下がることを意味します。そうなると、所得減に不安を覚えた人々は一層消費を減らすことになってしまいます。他には、日銀の失策が挙げられるでしょう。「量的金融緩和」です。この政策は要は、日銀が民間銀行から国債を買うから、その支払った資金を民間企業などに貸してくださいね。という政策です。ただ、日本においてはお金を借りたいという人が少ないばかりか、お金を貸す側の民間銀行も、BIS規制という縛りがきついので、なかなか貸したがりません。そうなると、日銀が発行したお金も、民間銀行の日銀当座に貯まり続けるだけになります。これも滞留です。

 

したがって、今の日本で起きているデフレ現象は「お金の流れが滞る」ことであり、かつ、相対的に富裕層へお金が流れている結果、さらにデフレが加速するということだということができます。

 

コロナウイルスの感染拡大のため、ここ1年は中国からの観光客の姿は見なくなりましたが、それまでは日本に来た中国の人がものすごい量の買い物をしている光景もよくみました。あの光景を見て、「日本の商品の品質はすごいからなあ〜」と思いがちですが、実態は全く違います。単純に日本が長期のデフレによって物価が下がっているため、中国本国で買わずに日本で買って持ち帰っているだけというのが真相です。バブル期においては、破竹の勢いの日本経済でしたが、それも今は昔。今や文字通り安い国に成り下がってしまったということであり、この出来事はそれを象徴するものと言えるでしょう。

 

だからこそ、我々がやるべきことは、正しい知識を身に着けて、一部の特権階級の支配に対抗することだと言えるのではないでしょうか。

 

以上、解説を終わります。ここまでご覧頂きありがとうございました。

 

参考図書

資本主義の限界 (扶桑社BOOKS)
木下 栄蔵