学んだことを発信するブログ

ジャンル問わず、学んだことを発信していきます。その過程で私の提供した情報がどなたかのお役に立てればなお嬉しいです!

Webの基本的な仕組み(10)

本日も解説してまいります。

 

今回は、HTTPメソッドについて説明してまいります。

 

 早速ですが、HTTPには8つのメソッドしかありません。膨大なWebのネットワークをたった8つだけの操作方法で構築しているということです。以下8つを列挙いたします。

 1) GET  リソースの取得

 2) POST  子リソースの作成

 3) PUT リソースの更新

 4) DELETE リソースの削除

 5) HEAD リソースのヘッダ取得

 6) OPTIONS リソースがサポートしているメソッドの取得

 7) TRACE 自分宛にリクエストメッセージを返す

 8) プロキシ動作のトンネル接続への変更

 

 また、これらメソッドは「CRUD」という性質を満たしています。これはCreate(作成)、Read(読み込み)、Update(更新)、Delete(削除)というデータ操作のことを指しています。

 

 CRUD名     意味                      メソッド

 Create        作成       POST/PUT  

 Read                        読み込み                  GET

 Update      更新                          PUT

 Delete        削除                       DELETE

 

 上記のメソッドについて説明します。少し順番が前後しますが、まずGETについてです。これはリソースの取得を意味しています。GETでは指定したURIの情報を取得する役割があり、Webページの取得、画像の取得、映像の取得など…です。POSTはリソースの作成、追加を意味しており、大きく3つの役割があります。1) 子リソースの作成、2) リソースへのデータの追加、3) 他のメソッドでは対応できない処理 の3つです。PUTはリソースの内容の更新及びリソースの作成という2つの役割があります。このPOSTとPUTの使い分けはクライアント側でURIを指定可能か否かで決まります。POSTではリソースの指定は不可ですが、PUTでは可能です。しかし、実際にHTTPメソッドとしてよく用いられるのは、GETとPOSTの2つです。なぜなら、HTMLのフォームで指定できるメソッドはGETとPOSTだけであるからです。その他、DELETEはリソースを削除するメソッド、HEADはリソースヘッダの取得、OPTIONSはリソースがサポートしているメソッドの取得の役割があります。

 

 以上、本日の解説を終わります。

ご覧いただきありがとうございました。また次回以降もよろしくお願いいたします。

 

 

 

 

Webの基本的な仕組み(9)

本日、2記事目ということで、引き続きWeb関連の知識について

解説してまいります。

 

 今回はクライアント/サーバについて説明いたします。

これは、Webというアーキテクチャスタイルにおいて採用されている方式のことです。つまり、クライアント(Webブラウザ)がサーバ(Webサーバ)に接続し、各種のリクエストを出し、それに対してレスポンスを受け取るという形式でやりとりをするシステムです。

 

 具体的な手順としては、下記の通りとなります。

①クライアント側でリクエストメッセージを作成。→ ②サーバ側に送信。→ ③サーバ側がメッセージを受信。→ ④受信したメッセージの解析。→ ⑤処理を行えるアプリケーションプログラムに処理を委譲。→ ⑥処理結果を受信し、レスポンスメッセージを作成。→ ⑦クライアント側に送信。→ ⑧クライアント側でメッセージの解析。→

⑨解析結果に基づき、最後の処理を行う。 

 

 上記のリクエストメッセージとレスポンスメッセージを合わせて、「HTTPメッセージ」といい、HTTPに関連する重要な概念として、ステートフルとステートレスがあります。ステートフルとはクライアント側が一度出した要求はサーバ側で記憶されるため、再度命令は不要というプロトコル形式のことです。クライアント側がサーバ側に何か⑴という要求を出すとします。そして、追加でまた別の⑵という要求を出すとするとサーバ側が(1)で出した要求も記憶しているため、クライアント側は極論⑴の要求を出したこと及び内容を失念していても、サーバが適切な処理を行ってくれるというシステムです。しかし、ステートフル方式においてサーバ側が同時に記憶できる要求の数に上限があります。そのため、HTTPにおいてはステートフル方式は採用されていません。では、どうしたかというと、ステートレス方式というプロトコルを採用しています。

 

 ステートレスとは、サーバがクライアント側のアプリケーション状態を保持しないということを指します。つまり、サーバ側に丸投げせず、クライアント側で記憶しておきましょうよ!という方式です。しかし、具体的には、クライアント側がサーバ側に何か⑴という要求を出すとします。そして、追加でまた別の⑵という要求を出すとすると、サーバはさっき言ったはずの⑴を忘れてしまっているので、「⑴と⑵をやってください!」と一括して要求を出し直す必要があるということです。そのため、送信するデータ量が多くなる、処理量が増えるという問題が発生します。また、通信エラーへの対応も変わってきます。

 

 ステートフルの場合、エラー発生前にクライアント側から送られた要求もサーバ内で記憶されています。そのため、エラー発生後に同一の要求がクライアント側から送られてきたとしても、「同じ要求は以前頂いていますよ。同じ処理を行ってもいいですか?」と確認し直してくれるのです。しかし、ステートレスの場合、サーバは過去あった要求のことなど忘れている訳ですから、そんな気の利いたことはしない訳です。

 

以上で、今回の解説を終わります。ご覧頂きありがとうございました。

次回以降も何卒よろしくお願いいたします。

 

 

 

 

 

 

 

Webの基本的な仕組み(8)

本日も解説してまいります。

 

今回はHTTPに関連する基礎知識についての解説です。

 

 まずは、TCP/IPについてです。これについて説明するには、インターネットが以下の4つの階層に分かれていることから記載した方が良いかと思います。以下4つは番号4)から1)に向かうにつれて、上層になることにご留意ください。

 

1)  アプリケーション層

→ HTTP,NTP,SSH,SMTP,DNS

2)  トランスポート

→ UPP,TCP

3) インターネット

→  IP

4) ネットワークインタフェース層

イーサネット

 

 4)から順番に解説していきましょう。これは階層的なネットワークケーブルやネットワークアダプタなどの物理的な接続部分を指します。3)は実際にデータをやりとりする部分となり、TCP/IPではIPが相当します。IPでは、データを送信することのみを保証しており、実際にその送られたデータが最終目的地に到達するかは保証しません。それに対して、TCPに代表される2)ではIPが保証しなかったデータの転送を保証するのが役割です。このTCPにおいて、転送するデータがどのアプリケーションに渡されるかを決定するのがポート番号で、1〜65535までがあります。HTTPではデフォルトで80番ポートを利用する設定です。1)のアプリケーション層とは、具体的なインターネットアプリケーションのことを指します。例えば、メールやDNS、そしてHTTPを実現する層です。

 

今回は以上で解説を終わります。ご覧頂きありがとうございました。

また、次回以降もよろしくお願いいたします。

 

 

Webの基本的な仕組み(7)

本日も解説してまいります。

 

前回から引き続いてURIについて解説してまいります。

 

 URIはスラッシュを使って階層で表現することができます。

例として適当ですが、以下のようなURIがあるとします。

http://progress.1ichigo.diary/2010/05/01

これは、日付の情報が年→月→日という階層関係を持っているため、問題なく

スラッシュ(/)を用いて表現することが可能です。

 

 しかし、全ての情報が階層で表現できるわけではありません。例えば、地図などは経度や緯度などの独立したパラメータを持つため、個々のリソースは階層関係では表現すrことができません。こう言った場合にはマトリックスURIをいう概念を用います。

 

 具体的には、複数のパラメータ間で区切り位置にセミコロン(;)もしくはカンマ(,)を用います。セミコロンはパラメータの階層が意味を持たない場合に、カンマはパラメータの階層が意味を持つ場合に用います。

 

今回は短いですが、以上で解説を終わります。

ご覧いただき誠にありがとうございます。

また、次回以降も何卒よろしくお願いいたします。

統計の基礎知識について解説

さて、今回は、統計について解説していきたいと思います。

 

今回はいつもと違い、デスマス調ではないので、その点申し訳ないです。それでは、始めましょう。

 

   1-1. 平均

 1つのデータ集団において各個別の数値を合計して、その合計値をデータの個数で割った値。式は以下のようになる。

実際にこの式を使用してみる。

以下、表1-1(参照:特設サイト 新型コロナウイルス https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/data/)を用いて、分析を行った。

 

表1-1 広島県の4月度コロナウイルス感染者数

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 平均=(0+5+2+2+0+1+3+5+1+5+26+6+3)/13=4.53

となり、計算できた。

もう一つ、比較対象として福岡県のデータを表1-2に提示する。

 

表1-2 福岡県の4月度コロナウイルス感染者数

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平均 = (32+22+19+27+16+14+23+25+26+39+43+30+11)/13=25.15

 

 両者を比較してみる。まず、表1-1を見ると、4/11の感染者数のみ「26」で2桁以上の数値と他の日を比較しても突出しているように見える。これを「外れ値」といい、平均値から相対的に大きく離れている値のことを指す。対して、表1-2では、突出した値はないように見える。このように、平均値は計算式上全ての要素を用いるため、全てのデータを反映できることが長所だといえる。ただし、一部の値によって平均値が上昇し、真値から乖離している可能性がある。こうした欠点を補うために、他にもいくつか概念があり、例えば「分散」という概念がある。

 

  1-2. 分散

 1つのデータ集団において、個別の数値につき平均からの差(これを「偏差」という)をとり、その二乗和をとる。式を以下(2)に示す。これによって平均からのばらつきの程度がわかる。二乗する理由は単に偏差を合計すると、必ず0になるため、データ間を数値の大小で比較することができないためである。さらに、データ集団内の個数(これを標本の大きさ、またはサンプルサイズという)で除算することで、個数による影響を排除する。割り戻さなければ、サンプルサイズに比例して分散値が増えるので、公正な比較ができないからである。さらに、その割る数をサンプルサイズ(n)とするものを標本分散、n-1とするものを標本不偏分散という。さらに、分散とは二乗された値なので比較する上で直感的に分かりにくい。そこで、平方根をとった標準偏差という概念でばらつきを比較することも多い。

 

標本分散

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標本標準偏差

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不偏分散

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不偏標準偏差

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 不偏分散においてn-1で割る理由は、より正確な推定(母集団を推定)すべく、自由度を用いているからである。というのも、分散値を求めるには平均値を推定する必要がある。つまり、分散値を求める前に平均値というパラメータが「1つ」決定したために、自由度が1つ減る。そのため、その分を差し引く必要があるということだ。不偏分散の平方根をとったものを不偏標準偏差と呼ぶ。※ Excelで、(2)(4)を求めるにはそれぞれVARP、VAR関数を用いる。今回はVAR関数を用いて計算を行った。また、(3)(5)を求めるには、それぞれSTDEVP関数、STDEV関数を用いる。今回はSTDEV関数を用いて計算を行った

 

表1-3  広島県と福岡県の比較データ

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 不偏標準偏差を比較すると、広島県の方が6.75と福岡県の9.33より小さい値のため、広島県の方がデータのばらつきが小さいことが分かった。

 

   1-3. 中央値

 これは、ある集団のデータを昇順に並べた時に、丁度中央に位置する値を指す。表1-3を上から下に向かい、数字が大きくなるように並び替えたものを表1-4として作成する。

     表1-4   広島県と福岡県の比較データ

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 広島県についてのデータを検討する。番号が上から見て丁度中央にある値、つまり「3」がこの場合の中央値だと分かる。ただ、この表をよく見ると、「5」の出現頻度が多いのが気にかかる。実際に出現する回数は3回とこの集団の中では最多であることが分かる。これを「最頻値」という。この場合はデータ量が少ないため、すぐに最頻値が求められたが、実際には値を求めるための手順がある。広島県のデータについて詳細に検討していく。

 

   1-4. 最頻値

 まずは、度数分布表という表を作る。先ほどの表1-4のように単にデータを羅列しただけだと、その性質が分かりにくい。そこで、感染者の数を一定区間(この区間を階級という)に分けて整理する。今回は感染者数が階級である。そして、各階級に含まれるデータの個数を度数という。今回は、その感染者数が何回出てきたかが度数となるだろう。

 

表1-5 度数分布表

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 これを見ると、度数の最大値は3であり、この時の階級は5と読み取れるため、最頻値は5と分かります。今回はデータの量が少ないため、表を目視するだけで最頻値が分かったが、データ量が増えてくると、その正攻法は使いにくくなる。そこで、威力を発揮するのが、ヒストグラムだ。

 今回はデータ間の数値の差が小さいため、度数分布表とヒストグラムの階級を細かく区分けすることになり(この時の区間幅を「階級の幅」という)、少し見にくくなったが、下の図1-1のようになる。

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                           図1-1 ヒストグラム

 これを見ることで、感染者数が5人以上、5.5人以下の時、度数が3で最大であると分かる。

 

   1-5. 共分散

 これまで広島県と福岡県のデータを相互比較してきた。ここでは、広島県と福岡県のデータに相関関係があるか調べる。すなわち、一方はもう一方の減少関数となるか増加関数となるかについてである。手法としては、共分散という概念を用いる。これは式(6)に示すように2つの変数の偏差の積の平均値を計算する。※ (6)もn及びn-1の2パターン存在するようである。

 

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   1-6. 相関係数

 先の式(6)で計算することで、値を算出しその大小を比較することで、相関の強さが分かる。しかし、一般的にはxとyで単位が異なることが多いため、正確に比較するには、それぞれを無次元量に変換する必要がある。そのため、さらに、x,yそれぞれの不偏標準偏差で割り戻す処理を行う。その計算式を(7)に示す。

 

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この(6)(7)を用いて計算した結果を一挙に表1-6に示す。

表1-6  広島県及び福岡県の相関係数

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 相関係数0.63という結果が得られたが、この数字はどの程度の相関の強さを指し示すのかという疑問がある。そこで、相関係数と相関の強さの関連を表1-7に一覧として示す。

 

        表1-7  相関係数一覧表

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 この表を見ると、正の相関があるという段階であることが分かる。ただし、広島県の感染者数が増えたから、福岡県の感染者数が増えたという意味ではないことに注意する必要がある。あくまでも相関関係を示すものであって、因果関係を示すものではない。

 

   1-7. 仮説検定

 先の表1-6のように、広島県と福岡県の標本を比較することで、相関関係は把握できた。しかし、そもそも広島県と福岡県の標本の大元の母集団は”異なっている”のだろうか?一見、違っているようには見えるけれども、誤差の範囲内であるということはないだろうか?こういった差異の有無を調べる場合に用いる検定方法が「仮説検定」である。専門的な定義を述べるならば、「とある仮説に対して、それが正しいのか否かを統計学的に検証する」ことを指す。

 

 今回、両方の標本は異なっているように見える。ということは、今回は「” 異なっていない=同じである”という主張を破棄して、”異なる“という主張を採用する」という命題を証明するのが目的である。この”破棄したい”主張を帰無仮説()、”採用したい”主張を対立仮説()という。これら用語を用いて言い換えると下記の通りとなる。

 

帰無仮説H0広島県と福岡県の4月度感染者数の母平均は同じ

対立仮説H1:広島県と福岡県の4月度感染者数の母平均は異なる

 

 では、どういった基準によって帰無仮説か対立仮説を採用するかを決めるのだろうか?そこで用いるのが、p値と有意水準である。p値とは「帰無仮説が正しいとした時の観測データの実現値が得られる確率」であり、つまりはそのデータが得られるのはどれくらいの確率かという概念である。有意水準とは一般的にαで表され、「帰無仮説を棄却するときの判断基準」を指す。つまり、p値で得られた確率を偶然とみなすかどうかを決める境界線であり、一般的にはα=0.05であることが多い。したがって、α=0.05を基準として、p値がそれを下回れば、帰無仮説を棄却し、反対に上回れば、帰無仮説を棄却できないという判断を下す。具体例を示そう。

 

例)p=0.03と算出されたとすると、帰無仮説が正しいと仮定した時に、その事象が起こる確率は0.03%である。主観的であるが、これほど低い確率ならば、「偶然」その現象が起こるとは考えにくく、帰無仮説は正しくないと言えるのではないか?有意水準で検証するとα=0.05を下回っているため、やはり帰無仮説は正しくないと言える。

 

 帰無仮説を棄却するか否かを図解すると下記の通りとなる。

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                        図1-2  帰無仮説採用

 

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                図1-3  帰無仮説不採用

 

 ここで、注意する必要があるのは、帰無仮説を棄却できなかった場合においては、帰無仮説と対立仮説のどちらが正しいかは分からないという点である。つまり棄却できないということは直ちに対立仮説を採用ということを意味しない。その際には、また別に検証を行うなどといった手続きが必要となる。

 

 また、先の例において、「偶然」その結果が得られるとは考えにくいためという説明を行ったが、あくまでそれは主観的な判断であるため、「0.03%がいかに低確率に思えるからとはいえ、0でない限りはそれが偶然起こる確率も0.03%あるだろう!」と言われれば、実際にその通りなのである。その場合、帰無仮説が正しかったのにも関わらず、を棄却してしまったということなのである。これを「第一種の過誤」という。一方で、が正しかったのにも関わらず、を棄却しないことを「第二種の過誤」という。

 

 率直に言ってしまえば、どれほどデータを集めて、それを元に思い切りよく主張を展開したところで、「第一種の過誤」「第二種の過誤」の存在により、その結論が間違っている可能性は常にあるというどうしようもないようなことが統計では起こり得るということである。

 

 その可能性を念頭に置いた上で、検討を行う。今回、広島県と福岡県の標本はそれぞれの母集団から抽出したと考えて、母集団の平均に統計的に有意な差があるかどうかを検証することで、データの差異があるかどうかを検証できると考えた。母平均に対する推定には、t検定を用いる。T検定に使用する式は複数あり、場合に応じて選択することになる。今回の場合、この2つの標本は同一ではないので、対応がない場合の式を使用する。以下(8)式に示す。

 

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 実際には、この式を用いて手計算を行わずとも、Excelのデータ分析という機能を使用することで分析できるので、今回はその機能を使用した。結果一覧表を表1-8に示す。

        表1-8  t検定分析表

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表の中で検定にて確認する箇所を黄色でマークした。確認するとp=1.7213E-06<0.05ということが分かる。したがって、帰無仮説を棄却し、対立仮説を採用する。つまり、「広島県と福岡県の4月度感染者数の母平均は異なる」という主張が導かれた。※しかし、1.7213E-06という確率で「第一種の過誤」である可能性もある。

 

 1-8. 考察

   今回、広島県と福岡県の4月度のコロナウイルス感染者を例に統計学を学んだ。そこで、最後にまとめとして分析結果に対しての個人的な解釈を述べる。先の2-7の仮説検定により、「広島県と福岡県の4月度感染者数の母平均は異なる」という結果が得られた。この要因として、私は以下2つの可能性を提示する。1つはウイルスの特性自体が変化しているためである。つまり、その土地固有の気候、人口密度などのウイルスを取り巻く外部要因によってウイルス自体が適応しているという可能性である。もう1つは人的要因である。具体的には、イベントの開催などによっていわゆる三密と言われる状態となる。それによってクラスター感染が起こっているという見解である。しかし、今回のデータは日本全国を調査したものではなく、量に乏しいため、この2つの見解のうち、どちらが原因なのか、あるいはどちらともが原因であるのか、はたまたそれら以外の要因があるのかという示唆は得られないということは確実に言えるだろう。

 

以上、長文になりましたが、解説を終わります。

また、次回以降もよろしくお願いいたします。

Webの基本的な仕組み(6)

本日も解説してまいります。

 

 今回は合理的なURIとは何か?について説明したいと思います。

 

 インターネットが普及するにつれて、「クールURI」という言葉が普及するようになりました。この言葉の意味は直訳でカッコいいURIとでもいいましょうか…。

 

 その語源は、1998年 Berbers-Leeが「URIは不変であるべきだ。変わらないURIこそが、最高にCOOLなURIだ」のようなことを発言したようで、それを機に、変わらないURIという概念が次第に着目されるようになったようです。

 

 では、変わらないURIとは何か?というと、

「ある特定の限定的な状況下でしか使えない文字列が排除されたURIであること」と言えます。

 

 どういうことかといいますと、これは例えば特定のプログラミング言語でのみ使われる言葉 (拡張子やメソッド名)を使わないこと、実装依存のパス名やセッションIDを含めないことであると言えます。これらを遵守した上で、文字列もなるべく短縮することで、シンプルなURIに近づき、ユーザビリティが高まると言えます。

 

今回は普段より短めですが、これで終わります。

次回以降もよろしくお願いいたします。

 

GDPについて分かりやすく解説(1)

今回は経済についての記事です。

 

まず、経済と言えば私はGDPが重要かなと思うので、GDPを理解するために必要だと考える知識について以下、項目別に説明いたします。

1.  GDPの定義

2. GDP恒等式

3. GDP三面等価の原則

4. 名目GDPと実質GDP

5. 果たして日本のGDPは拡大しているのか?

 

非常に込み入った話になりそうなので、記事を分けて解説することにしましょう。

今回は、1.について解説いたします。

 

1.  GDPの定義

 まずは、言葉の意味を明確にしましょう。

 GDPとは「ある一定期間内に国内で生産されたモノやサービスの付加価値の総額」のことを指します。モノというのは、当然ですが、何らかの目に見える物質のことです。パンとか洋服とかパソコンとか家電とか……それら市場に存在する全ての商品のことを指します。

 

 サービスは、モノとは対称的に、売買後にその場に物質として残らない財を指します。マッサージ、散髪、映画を見るなどがこちらに分類されます。こういったモノやサービスが一定期間にどれくらい生み出されたかを合計した金額のことです。

 

 ここで重要なのは、定義の中に明記している「付加価値」という言葉です。この言葉は何かを新しく付け加えるということを意味しています。例えば、パン屋さんがパンを売るまでには、まず、小麦粉や砂糖など原材料を輸入します。そして、それら材料をなんやかんやこねたりオーブンで焼いたりして、パンに仕上げる訳です。小麦粉などの原材料に人間が新たに手を加えることで、パンという新しいモノを生み出している訳です。散髪などのサービスだって同じように、伸びきった髪に手を加えることで、短髪になるという意で、新しく価値が生まれています。つまり、何かモノやサービスを提供することで発生した利益のことを指しています。

 

 対して、GDPが全く増えない売買が4つあります。土地、株、債権、貨幣の4つです。土地については、何もない更地を買うものと仮定しましょう。これは人間が手を加えなければそのままの状態で存在するだけなので、これを売り買いするだけでは、GDPは増えません。株、債権も同様の理屈です。貨幣については、そもそもモノやサービスを入手するための媒介物ですので、モノやサービスになり得ない時点でGDPには無関係です。※ 無論、例えば土地を掘って温泉を発見して、そこを温泉旅館として開業すればその分はGDPに加算されるでしょうが……

 

 したがって、誤解を恐れずにいうならば、GDPとは「この地球上に存在する土地、株、債権、貨幣以外を売買する際に新しく生まれるモノやサービスの総額」のことです。

 

 では、このGDPはどう計算するのでしょうか?

結論から言いましょう。それは各生産主体で生み出されたモノやサービスの最終生産物「売上」を合計することです。つまり、半年なのか1年間なのか分かりませんが、ある一定期間に日本国内にあるパン屋さんでも、居酒屋、レストラン、自動車会社でも何でもありとあらゆるモノやサービスを提供する主体(企業に限りませんので、この言い方にしています。)の売上を合計することで算出されます。

 

 なぜ、売上の合計金額なのでしょう?簡単に証明できるので、図を用いて説明してみます。下の図1-1は自動車を製造して、ディーラーさんが販売するまでの過程でモノを製造している企業の売上、利益、費用の対応関係を示したものです。

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           図1-1  売上対応関係図

 

 さて、GDPとは上述のように、各生産主体の利益を合計したものです。

ということは、この場合図を参照すると、GDPは以下のように定義し、計算することができます。

GDP = 利益A+利益B+利益C

         = (売上A-費用A)+(売上B-費用B)+(売上C-費用C)

   = (売上A-売上B)+(売上B-売上C)+(売上C-費用C)

   = 売上A-費用C

ここで、売上A>>費用Cなので、以下の近似式が成立します。

        売上A-費用C≒売上A

したがって、

GDP≒売上A

が成立することが証明できました。

つまり、GDPとはあるモノやサービスについてその最終生産物の売上を合計することによって算出できます。

※ 中間生産物ではなく、最終というのが重要です。最終ということは、各生産者がそれまでに生み出した全ての付加価値が含まれるためです。

 

 図を使って考えれば、比較的簡単に導出できると思います。

 

 最後に私が経済を勉強するのに参考にさせて頂いておりますサイトを以下に紹介いたします。まだ、私が何も経済について何も知らなかった時に衝撃を受けることがいくつもありました。特に、税金は財源としてではなく、インフレの抑制という意味において必要だという説明には非常に驚きましたし、勉強になりました。正直、頭がキレすぎる方なのか文章を読み解くにはある程度の読解力が要求されるように思います。しかし、書かれてあることは非常に論理的で、今の日本の問題点が体系立てて説明されてあるブログだと思いますので、是非ともご一読ください。

→ https://ameblo.jp/reisaiouen/

 

次回以降、さらにGDPについて詳細に解説していきたいと思います。

ご覧頂きありがとうございました。

次回以降もよろしくお願いいたします。